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ミドル以降の仕事への停滞感:キャリア・プラトー

  • 870948
  • 7月14日
  • 読了時間: 4分

テレビドラマ『花咲舞が黙ってない』に登場する銀行員、相馬健(40代)は、出世コースから外れ、組織に対する期待を持たず、臨店班という部署で「波風を立てないように」仕事をしていました。

そこに正義感の強い花咲舞(20代)が異動してきます。彼女の歯に衣着せぬ振る舞いが相馬の魂に火をつけ、これまでの経験を活かして花咲とともに様々な不正を暴いていくことになります。


出世の頭打ち「キャリア・プラトー」とは何か

従来の日本企業、特に大企業では「昇進」が仕事への大きなモチベーションの一つでした。しかし、組織のヒエラルキーは上に行くほど狭くなるため、ポストには限りがあり、どこかのタイミングで役職が頭打ちになります。

経営学では、この状態を「キャリア・プラトー」と呼びます(プラトーとは「高原」を指す言葉です)。

キャリア・プラトーに陥ると、一般的に社員の意識やパフォーマンスにマイナスの影響を与えると言われています。相馬のように、組織に対する期待を持たずに日々をやり過ごす状態になりがちです。


「タテの停滞」と「ヨコの停滞」

キャリアには、職位や資格等級の上昇を軸とする「タテのキャリア」と、仕事の幅の広がりや新たな知識の習得を軸とする「ヨコのキャリア」があります。

これ以上昇進の期待がない状態を「階層プラトー(タテの停滞)」と呼びます。一方で、何年も同じ部署で同じ仕事を続けており、仕事の幅が広がらない状態を「内容プラトー(ヨコの停滞)」と呼びます。

タテの昇進が止まったからといって、ヨコの広がりまで止まってしまうと、社員の意欲は完全に失われてしまいます。では、キャリア・プラトーから抜け出す、あるいは陥ったとしても仕事への意識を高め続けるにはどうすれば良いのでしょうか。


プラトーを打破する2つのアプローチ

【組織ができること】 一つは、組織内での「配置転換」です。ドラマにおける臨店班は、昇進が絶たれた行員の行き先のようなニュアンスで描かれることもありましたが、実際には業務の健全性を維持するための重要な部署です。あえて異なる環境に身を置かせることで、新たな視点をもたらすことができます。

ただし、配置転換が片道切符のような意味を持つと逆効果となることがあります。

また、業務の幅を広げる「職務拡大」や、権限と責任の範囲を広げる「職務充実」も有効な手段です。

この場合も、都合よく仕事を押し付ける方便にしないよう注意が必要です。

【個人ができること】 これまで自分が蓄積してきた能力を使って、以下のアプローチをとることが可能です。

  1. 役割を自ら広げる: 与えられた業務の枠を超え、自らの経験を活かして仕事の範囲を広げる。

  2. 新しい価値を付け加える: 過去の別部署での経験や知識を、今の仕事にプラスする。

  3. 仕事のやり方を根本から変える: 従来のやり方に縛られず、自分の知見を用いてプロセスそのものを変革する。


これからのマネジメントに求められる役割

相馬は、花咲の振る舞いに手を焼きながらも、自らのメンターとしての役割を見出し、過去の経験やネットワークを使って仕事への向き合い方を変えました。

相馬にとっての「花咲舞」のように、組織が彼らにちょっとした「発火剤」や「新しい役割」を与え、個人が過去の経験を新しい視点で掛け合わせたとき、再びエネルギーが生まれます。

出世という「タテの階段」が途切れたからといって、彼らを現状維持のまま放置してしまうのは、会社にとってあまりにも大きな損失です。「タテ」の昇進が止まったミドル層に対し、いかに「ヨコ」の活躍の舞台を用意し、再び組織の推進力として火をつけるか。それこそが、これからのマネジメントに求められる重要な役割ではないでしょうか。


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