こんばんは。
企業の10年後のビジョン達成のために、
ビジネスに伴走しビジネスを加速させる
経営コンサルタントの渡邉 千尋です。
M&Aというと、一昔前は「身売り」「乗っ取り」といった
物騒なイメージがありました。
2004年に出版された小説(のちにドラマ化)「ハゲタカ」でも、
瀕死の日本企業を次々と買い叩くファンドの姿が描かれており、
話はとてもおもしろいですが、物騒なイメージを助長させていました。
時を前後して2002年、私は、安田火災、日産火災、大成火災の合併前夜の
損保ジャパンに内定をいただいておりました。
2001年9月11日の同時多発テロで、かなりの航空機保険の再保険を受け入れていた
日産火災、大成火災の支払額は744億円。
大成火災は債務超過に陥り、会社更生法を適用を申請して破綻します。
それでも安田火災は、両社との合併に踏み切ります。
金融業界の再編が目まぐるしく行われていた時代でした。
厳しい経営環境の中「生き残るには合併しかない。」
という状況だったのです。
現在では、後継者がいないなどの理由により事業の出口戦略として中小企業でもM&Aを選択する企業が増加しています。
また成長戦略として企業の売買を行うケースが非常に増えています。
今やM&Aにネガティブなイメージはすっかりなくなりました。
しかし、企業にとってはやはり大きな決断です。
心配事はつきません。
その心配事のひとつを解消するのが「表明保証」です。
表明保証とは、売り手が契約前に確認した法務や税務、財務などに関する事実が正確なことを保証することです。これに違反した場合、買い手は売り手に損害賠償の請求をしたり、契約の解除を行うことができる、というものです。
しかし、買い手側としては損害賠償金の回収に時間がかかる、売り手側としては、売買契約締結時には知り得なかった表明保証違反で後日損害賠償請求される、というリスクが付きまといます。これらの心配事を解消してくれるのが、「表明保証保険」です。
買い手、売り手どちらからでも保険に加入することができます。
そして、どちらにもメリットがあります。
この保険のおかげでM&Aが円滑にすすむということで、注目を集めています。
次回は、表明保証保険のメリット・デメリットについてお話したいと思います。
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