優しい配慮がキャリアを止める? ──「マミートラック」
- 870948
- 7月3日
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前回の記事では、家庭の事情を抱える女性部下に対し、「すぐに帰りなさい」と声をかける優しい上司のケースをご紹介しました。
もちろん、こうした心遣いをありがたく思う方は多いでしょう。しかし一方で、働く本人の「仕事に対する責任感」や「コミットし続けたい思い」を汲み取る視点も欠かせない、というお話をしました。
「マミートラック」とは?
今回は、そこから一歩進んだ「マミートラック」という問題について考えます。 女性が出産後、「難易度や責任の度合いが低く、キャリアの展望もない状態」(※1)に陥り、そこから抜け出せなくなる現象を指す言葉です。
この状態が生み出される背景には、以下の2つの思惑が絡み合っていると考えられます。
会社の都合: 「たびたび仕事を抜けることがあるなら、重要な仕事は任せられない」
上司の気遣い: 「家庭との両立は大変だろうから、仕事を軽くしてあげよう」
もちろん、マミートラック的な働き方(ペースダウン)をありがたいと思っている女性もいらっしゃいます。また、男性の立場から見れば「ダディトラックがあってもいいのに」「先のキャリア展望が無くなった自分は、さしずめオジトラックだな」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
マミートラックを回避するための「並々ならぬ努力」
様々な思惑が交錯する中、現状として「意欲があるのにマミートラックから抜け出せない」場合、それを打破するためには本人の並々ならぬ努力が必要になっているのが実態です。
『<共働き・共育て>世代の本音』(光文社新書)では、マミートラックに陥らないために女性たちが実際に行った、次のような努力や工夫の例が挙げられています。
「仕事を任せられない人」という印象がつかないように、復職後の最初の3か月は、子どもに熱が出たときは夫が迎えに行くことにした。
出張の時には、夫が子どもの面倒をみた。
キャリアへの影響が出やすい「育児時短」ではなく、労働基準法に基づく「育児時間」(※2)を活用した。
上司に異動を直談判した。
妊娠中に昇進試験に合格しておいた。
業種や職種によって様々な事情があると思いますが、最前線で働き続けるためには、多くの努力を必要としているようです。
「配慮」から「意欲を引き出す声がけ」へ
入社時には優秀だった女性社員が、能力を十分に発揮できない状況に置かれることは、会社にとって大きな損失です。
「無理をさせない」という気遣いはもちろん必要ですが、会社や管理職に今求められているのは、そこからもう一歩踏み込み、「社員の意欲を維持し、どうすれば能力を発揮し続けられるか」を共に考える声がけです。
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旭川市「多様な働き方推進事業者認定・表彰」募集が始まります。
旭川市では、ワーク・ライフ・バランスの実現をはじめ、誰もが安心して働くことができる職場環境づくりを促進するため、多様な働き方に積極的に取り組んでいる事業者の認定と表彰を行います。
・人材育成・働きがい
・ワークライフバランス
・ダイバーシティ&インクルージョン
への取り組みを、ぜひ社内外に知らせてみませんか?
(※1)出典:本道敦子・山谷真名・和田みゆき(2024)『<共働き・共育て>世代の本音』光文社新書 (※2)育児時間:労働基準法第六十七条。生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる制度。




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